
日本の超長期国債の金利が3.3%を超えたという話があった。ちょっと見てみたら、確かに上昇の一途のようだ。
これが何を意味しているのかをちょっと考えてみたら、結構よろしくない感じな結論となってしまった。
まず、日本のことから。10年債は1.62%程度で動いているので、マーケットは長期では日本の未来は暗いだろうと
考えているということだ。これくらいの金利でなければ、買い手がいないということだろうからな。まあ、これは
当然というか、金利を見るまでもなく想像はつくよな。少子化だし、GDPは減少しているし。この金利上昇の理由と
しては、やはりインフレと賃金上昇だろうな。これが、金利を押し上げているんだろう。
で、その影響を考えてみると、今まで日本はゼロ金利だったワケで、日本人は海外に投資する魅力が減って、日本
国内の投資で利回りが取れるってことになる。それは、安全運用の年金や保険とかの利回りを取るところが影響を
受ける。米国債とかで運用してそれをヘッジするキャリートレードの旨味はなくなり、日本国債の運用でいいワケ
だよな。その方がヘッジコストがかからなくなるし。逆に、政府は国債の金利が高いことは利払いが増えることに
なるワケで財政負担が大きくなる。すなわち、増税するか、もっとインフレさせるかってことだよな。
次に、世界的影響はどうなるのだろうか。日本はアメリカ国債とか、外国の国債を買うメリットが少なくなる。まだ
アメリカ30年債は4.9%の金利があり、日本国債よりも高いものの、その差は1.6%しかなくなる。ヘッジコストを
考慮すると旨味はない。その他外国の国債も同様だ。つまり、買い手がいなくなるってことで、より高い金利を払う
しか手はなくなる。1.6%位の差だったら、いちおう安全資産のカテゴリーの日本国債のほうがいいもんな。
イタリアとか財政がヤバい国や、他の途上国なんかの国債金利なんかは、もっと上昇するのかもしらんよな。短期的
な国債でしのぐのかもしれないけど、どの道買い手は限られるようになるわな。さらに、日本のゼロ金利時代でよく
行われていたキャリートレードの解消も起こるだろう。低金利の円でお金を借りて、ドルを買って、そのドルで運用
する逆の動きだ。そうなると、円高になるし、海外勢はドルの負債が増すことになるよな。つまり、自国通貨の信用が乏しくドルでお金を借りるしかない国の負担が増すってことだよな。
結果、全体的に考えたら、結構な金融ショックが起こるのかもしれない。世界の政府は長期的資金調達方法を再検討
するしかないワケで、そして返済方法も再度検討する必要があるってことになる。それは財政破綻なのか、長期的な
インフレで借金の価値を薄めることなのかはワカランけど。どちらにせよ、どの国においても、法定通貨の価値は
減少せざるを得ないだろうな。それは、相対的にモノの価値が上がることを意味していて、つまりはインフレは続く
ってことで、そのモノの代表は普遍的価値のGOLDだろう。それにビットコインが追従できればいいんだがな。
どちらにせよ、ジンバブエほどじゃないせよ、ハイパーインフレってほどではないかもしらんが、そこそこインフレ
は起こるのかもしれないし、もう起こっているような気もする。これが日本発ってのも、なんだかアレなんだがな。
